お子さんの送り迎えに電動アシスト自転車を使いたい人も多いと思います。お子さんを乗せるには、チャイルドシートをオプションでつけるか、あらかじめチャイルドシートつきの子ども乗せモデルを選ぶことになります。
チャイルドシートは後ろ乗せと前乗せがありますが、どちらがいいのか迷う方もおられるようです。チャイルドシートつき電動自転車の注意点などをまとめました。
子ども乗せ専用モデルと、一般モデルにオプションでチャイルドシートをつけるのでは、どんな違いがあるでしょうか。
子ども乗せ専用モデルは、子どもを乗せることを前提に、全体の重心が低くなる構造になっているため、より安全性に配慮されています。
一般モデルにチャイルドシートを取り付けた場合、重心が高いままなので、自転車に不慣れな方は、若干、運転が難しいと感じられるかもしれません。
反面、子ども乗せ専用モデルはチャイルドシートを取り外せない構造が一般的で、お子さんを乗せる必要がなくなった場合、まったく使えないわけではないものの、チャイルドシートがじゃまになります。
また、人によっては重心が高い自転車のほうがバランスがとりやすいと感じる人もいるようです。
ここで、自転車の子ども乗せについて、法律を確認しておきましょう。意外と知らない人も多く、知らずに違反している人も多い内容です。
実のところ、基本的に自転車は「2人乗りは禁止」です。それが大前提として、
とき、2人乗りが認められます。
このチャイルドシートは、安全基準を満たしたものである必要がありますが、メーカー純正品であれば問題ありません。
さらに、道路交通法では、子どもを乗せる場合、ヘルメットのかぶらせるように努めなくてはならない(努力義務)とされています。
自転車には、前後にチャイルドシートを取り付けられるもの・取り付けてあるものもあります。そういったもので、安全基準にかなった製品であれば、前後に1人ずつ子どもを乗せて「3人乗り」することも認められています。
あるいは、チャイルドシートに1人を乗せ、もう1人を抱っこひもなどで背負うという形もOKです(背負うことが条件で、だっこは不可)。ただし、前後のチャイルドシートに2人を乗せ、あと1人を背負う「4人乗り」は禁止されています。
先の項目で紹介したようなチャイルドシートは、法律上は後ろでも前でも、どちらでもよいとされています。両者には、適した子どもの身長・体重・年齢にだいたいの目安があります。一般的には次のようなものです。
前乗せ | 後ろ乗せ | |
---|---|---|
身長 | 身長100cm以下 | 身長115cm以下 |
体重 | 体重15kg以下 | 体重22kg以下 |
年齢 | 1歳~3歳 | 1歳~6歳 |
前乗せのほうが、小さな子どもを想定しており、目安として4歳以上の子どもは後ろ乗せが基本だということです。これはあくまでも目安なので、お子さんの体格などにもよります。お子さんによっては4歳未満でも、前用はきゅうくつになる場合もあるでしょう。
また、前用のほうが適応する年齢幅が小さい以上、長く使う場合は、最初から後ろ乗せ用にしておいたほうが、チャイルドシートの買い換え・付け替えをしなくて済むという利点もあります。そうした事情などから、どちらかと言えば後ろ用を利用される方がやや多い印象があります。
後ろ用チャイルドシートのメリットとデメリットを考えてみましょう(後ろ用のメリットは前用のメリット、後ろ用のデメリットは前用のデメリットと考えられます)。
※ハンドル吊り下げ型であれば前カゴをつぶさずに前に取り付けられるチャイルドシートもあります。
チャイルドシートの目安年齢は、前・後ろいずれも「1歳~」とされています。メーカーによれば、後ろ用は、1歳から可能ではあるけれども、できれば2歳以上と推奨としている商品も多いようです。
1歳未満の子ども、特にまだ首がすわっていないようなお子さんは、首への負担を考えると、チャイルドシートに乗せるのは避けたほうがいいでしょう。子ども乗せができるのは、基本的に1歳以上と考えたほうがよさそうです。
もっとも、年齢にかかわらず、子ども乗せでの走行は、安全が何より重要です。年齢や身長といったメーカーが定める基準を守ることはもちろん、ヘルメットの着用や、スピードを出しすぎない、ムリな運転はしないといった配慮を欠かさないようにしたいものです。
[自転車マメ知識] 2024年1月8日